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2013年度前期大学院ゼミ第8回

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今日は大学院ゼミでマルク・ブロック『比較史の方法』創文社、1978年を取り上げてレジュメを切ってもらった。毎回ブログ記事をしたためることができていないため書いておくと、これまでの2回で佐藤真一『ヨーロッパ史学史』と二宮宏之『全体を見る眼と歴史家たち』でアナール学派について基礎的なことを理解してある。その上で今回は、ブロックの研究の底流をなす方法論を学ぼう、という趣旨である。内容を要約してもらった後、本文で出てくる「ミニステリアリテ」「マンスとフーフェ」「ヘールシルト制」といった術語について質疑応答したのち(これは完全ではなかったので一部宿題)以下の諸点について議論を行った。

  • 現代の比較史研究において、そこから導かれる類似点と相違点のどちらを重視するべきで、それにはどのような利点があるか。
  • シャルティストによるアナール学派批判の意義。
  • アナール学派における政治史とは。

いずれもブロックの議論を相対化するとともに、アナール学派の最初の2〜3代を再評価、後世のアナール学派は果たして「学派」と言っていいのかという疑問が出たところでお開きに。

修士課程の大学院生が3人いるだけなので人数的にはやや寂しいが、議論が活発になされいつも充実感を覚えて帰宅することができる。今日で前期を折り返したが、7月まで引き続きこの調子でいきたい。残りはギンズブルクを取り上げる。ギンズブルクは駒場時代に長谷川博子(当時)先生の講義でじっくり教わったのだがそれ以来縁がなかった。これを機に改めて勉強させてもらいたい。

比較史の方法 (1978年) (歴史学叢書)

比較史の方法 (1978年) (歴史学叢書)

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