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飯田洋介『ビスマルクと大英帝国ー伝統的外交手法の可能性と限界』

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岡山大学に着任する以前からこの大学の「西洋史的マンパワー」がどのような状況にあるか調べていました(岡大だけではなく県下各大学の状況もできる限り)。そこで目に留まったのはちょうど2年前に教育学研究科に着任されていた飯田洋介さん。早稲田出身でドイツ近代史、とりわけビスマルク外交に精通した気鋭の研究者です。4月に初めてお会いして以来、大変お世話になっています。

お会いして早々に、博士論文をリヴァイズして出版された『ビスマルクと大英帝国ー伝統的外交手法の可能性と限界』、勁草書房、2010年を頂戴しました。叙述方法は伝統的な政治・外交史研究のそれで、大量に残存するビスマルク関連史料を駆使して、年代順に独英関係とビスマルクの対英政策を分析しています。

読みこなす能力は無いので評価はできませんが、要点は以下のようになるでしょうか。

  • ビスマルク外交の基本的発想=メッテルニヒ的領土補償政策、王朝外交
  • 前者はナショナリズムと帝国主義という新展開に適応できず。
  • 後者は議会主義をとるイギリスに対する不信をもたらし対英関係を方向付けた。
  • ビスマルク体制」の「急場しのぎ」的性格は対英政策に端的に反映されている。

・・・門外漢なのでこれでお茶を濁せればと思います。ともあれドイツ史関係者が身近にいるのは心強い限りです。

ビスマルクと大英帝国―伝統的外交手法の可能性と限界

ビスマルクと大英帝国―伝統的外交手法の可能性と限界

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