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2013年度前期「英語(文学部)」最終回
今朝、前回のエントリーで紹介した授業の最終回をやってきました。肝心のロイターならではの議論にさしかかったところで終わり。急ぎ足で残りの議論を説明しましたが、個人的にはあと1回やって最後まで読み切りたかったです。無念。
しかしいずれにせよ、本論文は初期中世史研究の問題点がちりばめられており、歴史に少しでも関心がある学生に読んでもらうには良い教材でした。
- 899年の国王の妻に対する姦通罪の告発が当時いかなる意味を持っていたのか?
- 宣誓補助人はなぜ72人だったのか?
などは、19世紀後半に定着した通説では理解できない(誤解を免れ得ない)論点です。
その他、いかにして「事実」を確定・推定していくかという作業にも着目しました。初期中世における史料の少なさは、歴史研究の冥利を端的に理解できるという点でありがたいです(専門の研究者にとってはただただ嘆息するばかりですが)。
次回、英語論文を講読する機会があったらまたロイターを取り上げるかもしれません。ロイターの仕事からは、個人的に「帝国教会制」批判論文で勉強させてもらった記憶が今も生々しいです。
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