
博士後期課程支援の新制度について
博士後期課程の大学院生、あるいは現在博士前期課程の大学院生で、これから博士後期課程に進学希望の方に向けて案内します。
2025年6月19日、東京都立大学が「みやこMIRAI」プロジェクトと呼ばれる博士後期課程の大学院生支援の新しい枠組みを発表しました。
https://www.tmu.ac.jp/news/topics/37743.html
ここにはまだ申請の要件等具体的なことは書かれていませんでしたが、昨日申請が可能になり、詳細が明らかになりました。
https://research-miyacology.tmu.ac.jp/hrs-news/19168
支援内容は、博士後期課程の「原則全員」に対して、「研究奨励費」と呼ばれる生活費を月額20万、研究費を年額上限30万支給し、さらに授業料が免除になる、というものです。しかも、学振の特別研究員(DC)等になっている場合、その待遇に加え、研究費が年額180万追加支援されます。欧米で見られるような待遇を実現することで、優秀な院生を全国から集めてきたいという狙いがあるようです。

なお、東京都立大学では2024年度から学部、大学院博士前期課程を対象に都民の授業料を免除していますが、これは都立大のような規模の小さな大学だからこそ実現できることなのでしょう。
歴史学・考古学教室では最近大学院生が少しずつ増えていて、従来の制度でも博士後期課程は(DCになっていなくても)独自支援で生活できていたようですが、これで少なくともD3まではお金の心配なく研究に専念できます。
思い返せば修士課程の時、僕はそもそも博士に上がれるとは思っていなかったので、当然学振には応募しておらず、しかしそのまま何の因果か進学できてしまったので、育英会(現日本学生支援機構)の奨学金と塾バイトで生活しつつ、学会発表や投稿論文、留学の準備を進めていたのでした。塾バイトは週に1回程度でしたが、あの業界はただ授業をやればいいというものでもないので、前後にかなりの時間を費やしていたと思います。研究では、それに費やす総時間も大切ですが、集中が途切れ途切れにならない、ということの方が大切なので、バイトはしないに越したことはないな、というのが実感としてあります。その点でも、この制度は今後注目されるのではないかと思います。
大貫研究室、および歴史学・考古学教室の大学院進学については、このページをご覧のうえ、教員にコンタクトをとってください。
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