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2023年度後期学部ゼミ

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都立大は今週から新学期が始まりました。学部ゼミは金曜日が恒例となっていて、今日、オリエンテーションの準備をして演習室へ。蓋を開けてみたら参加者が21人もいて唖然とし、足りなくなった配布物のコピーをしに3階へ。

これでは授業にならないと思い、教室に戻るまで思案を重ね、解決策として同じ授業を2コマやることにしました。これまで頑なに拒んできたのですが、文献講読の形式で20人でしっかり討議できる環境に持っていくことは(少なくとも僕にとっては)至難の業です。11人と10人に分けて、スムーズに文献の担当を決めてオリエンテーションは終了しました。

2グループに分けるのは初めての試みなのですが、少人数バージョンを楽しんでみようと前向きにとらえています。そもそも都立大の最大の利点は、学生数が少ないということです。人文社会学部人文学科のの定員は90名です。2年生から歴史学・考古学教室に配属になるのがおよそ25人。私大だと、大学にもよりますが史学科100名なんてざらでしょう。あと、ゼミは学年ごとに分けないので、学年間の交流も魅了の一つです。そのため、都立大の学生にはぜひともこの少人数の利点、贅沢さを堪能してほしいと思っています。ゼミを2つに分けるのは不本意ですが、議論のしやすさを優先し、学生の交流は飲み会やゼミ旅行で果たしていきたいと思います。

今学期は以下の3冊を講読します。前学期まではかなりの文献を読んできたのですが、消化不良になっていると思ったのでここまで絞りました。池上本は昨年出た必読本ですが、前期に読んだアーノルド『中世史とは何か』の内容を念頭に置きながら読み進めたいと思います。マクルーハンは言わずと知れたメディア史の名著ですが、ちゃんと読むとなるとかなり骨が折れます。僕ももう一度ちゃんと勉強しようと思っています。セッティアはアカデミアの外でも人気の本です(共同研究者の白幡さんの訳も信頼がおける)。僕はこれがたんなる軍事史ではないところが気に入っていて、中世の戦争を成り立たせている諸条件は何なのか、じっくり考えることができるでしょう。みなさんどうかお楽しみに。

①池上俊一『歴史学の作法』(東京大学出版会)

②M.マクルーハン(森常治訳)『グーテンベルクの銀河系』(みすず書房)

③アルド・A・セッティア(白幡俊輔訳)『戦場の中世史』(八坂書房)

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