人文学入門演習〜大原美術館訪問
1年生後期の必修科目「人文学入門演習」で倉敷の大原美術館を訪問しました。この授業は東洋史と西洋史から1人ずつ教員を出して毎年行っているのですが、この大原とオリエント美術館に行くというのが定番となっております。
やや寒かったですがとても良い天気。倉敷の美観地区は相変わらず綺麗な街並みでした。最近市が国から助成金を受けて、この地区の電線を地中に埋めているそうです(下、ピントが合っていない写真しかなく申し訳ないです)。
事前に申請していたため、スタッフの方から大原美術館の成り立ちについてレクチャーしていただきました(大原美術館の教育普及活動)。篤志家大原孫三郎の援助を受けた美術家児島虎次郎が、20世紀初頭から幾度にわたりヨーロッパから美術品を持ち帰ってきます。そして1930年、日本で最初の西洋絵画を展示する美術館が誕生した、というお話でした。
話が終わり、早速本館→分館→工芸・東洋館の順に見て回ったのですが、作品はどれも質が高く、かつちょうど2時間で見て回れる規模です。エル・グレコの「受胎告知」を筆頭に、よくぞここまで集めたものだと感心してしまいました。大原の社会奉仕への情熱、小島の審美眼、そして芸術運動が盛り上がっていた当時のヨーロッパ、という条件がそろって初めて実現し得たわけですね(小島は直接モネを訪ねて「睡蓮」を買っています)。
そして意外だったのは、東洋館が結構充実していたことです。蔵を改築した建物に、北魏の仏像や版画作品など、普段目にする機会があまりないものが展示されていました。
記念撮影をして、この後お昼をご一緒しました。場所は美観地区から駅に向かって少し歩いたリストランテ・カナーレ。美味しかったです。これまでゆっくり話す機会を持てなかったので、とても楽しかったです。
リストランテ カナーレ (Ristorante Italiano Canale) – 倉敷市/イタリアン [食べログ]
今回参加してくれたのは全体の3分の2位。26人という大所帯の授業で、これまでアーノルドの『歴史ーHISTORY (〈1冊でわかる〉シリーズ』や羽田正『新しい世界史へ』を読んでディスカッションに励んできました。授業は残すところあと1回となり、最後にレポートを提出して終わりとなります。来年度は西洋史、東洋史を中心に異なる専門へ配属されていきますが、こうして密度の濃い授業を共にした経験は、今後も各専門で活かされるのではと思います。
歴史 ― HISTORY (〈1冊でわかる〉シリーズ ― Very Short Introductions日本版)
- 作者: ジョン・H・アーノルド,新広記
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