口述試験について
ドイツの博士号に関する学位審査は論文審査と口述試験の2段階で行われる。以前の記事では両者の間に(トリーアの場合)3週間の猶予を置く,等の話を書いた。今回は口述試験について。ドイツでは伝統的に,DisputatioとRigorosumのうちいずれかの形式が選択される。
僕の指導教授は口述試験はRigorosumの形式をとる。そのため学生は博士論文のディフェンス(これがDisputatio)は行わず,それに代わり主査・副査からそれぞれ博士論文とは異なるテーマを与えられる。当日は各30分位ずつそのテーマについて議論をし,議論が一定水準を満たせば合格。内容もそうだが,話し方や素振り,対話の呼吸等総合的に判断するようである。
こういう形式を選択できる国は知る限り他にはないと思うのだが,この形式を選択する理由としてポジティヴな理由とネガティヴな理由が挙げられると思う。前者においては,博論とは異なるテーマで勉強させることで,その後の研究の糸口を提供するという動機が看取される。これは実際勉強していてそう思う。後者としては,これまで散々博論について議論してきたのだから,あえて試験で話す必要ないでしょう,というものである。ごもっとも。
指導教授にもよるが,執筆段階で教授と学生は密に論文の内容について議論し,教授が出す意見の多くは論文に盛り込まれる。それゆえ確かに口述試験の場で主査(=指導教授)が博論の内容について質疑をするというのは,面倒見の良い教授であればあるほど自作自演臭が強まると言えるかもしれない(言い過ぎか?)。
そして与えられたテーマは,
盛期中世:司教都市
後期中世:領邦権力の支配権強化
である。えらく古典的なテーマだが,今世紀に入ってから新しいアプローチで研究されつつある分野であるため,そのあたりのことを話せるようになっていれば良いのだと思う。そのため,10月末からは修道院研究を離れ,都市史と領邦史についての主要文献を読む日々を送っている。
お久しぶりです。冬ですね~~そちらはグンと冷えていることでしょう。
体に気を付けて。(^^)
コメント書いて下さっていたのを見落としていました。申し訳ございません。12月の前半は大変寒く毎日凍える思いでしたが,最近はさほどでもありません。しかしこれからが心配です・・・。